文部科学省による不登校の定義と現状とは?

不登校、子供

皆さんは不登校について考えたことはありますか?そもそも不登校とはどのような状態を指すのかが曖昧な方も多いと思います。そんな曖昧さを払拭するために文部科学省が不登校の定義を定めたのです。今回は、文部科学省の調査結果をもとに不登校の定義と現状をご紹介します。


<文部科学省が定義する不登校とは?>

文部科学省では、不登校を

「心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」

と定義しています。つまり、通常通り学校に通うことができる子供が30日以上結成している場合は不登校と定義されるのです。この不登校状態が続き、長期間学校に登校していない子供について文部科学省は不登校の現状不登校の特徴という観点から調査しました。


<不登校の現状はどうなっているのか?>

30日以上欠席し続けている不登校児の現状は過去と比較してどのように推移しているのでしょうか?

不登校児の推移は右肩上がり

不登校児の推移は右肩上がりです。

年度 不登校児数
平成3年 66,817
平成6年 77,449
平成7年 81,591
平成8年 94,351
平成9年 105,466
平成10年 127,692
平成11年 130,227
平成12年 134,286
平成13年 138,722

上記のグラフは平成3年から平成13年までの小学生と中学生を合わせた不登校児の推移を表しています。この表から明らかになることは、10年間で不登校児は約2倍増加していることです。なぜここまで不登校児が増加しているのでしょうか?この10年間で子供たちの心情に、どのような変化があったのでしょうか?

なぜ不登校状態が継続しているのか?

不登校児の増加に伴い、文部科学省は不登校児に共通して当てはまる特徴を調査し、いくつかの型に当てはまると定義しました。平成13年の調査結果では、「不安などの情緒的混乱」が約26.1%、「様々な悩みが合わさった複合型」が25.6%、「無気力」が20.5%となっています。「あそび・非行型」は中学生に多く見られる不登校理由です。


<不登校の特徴と対策とは?>

不登校状態にはいくつかの型に当てはまることがお分かりいただけたでしょうか?では、その型の定義を詳しくご説明します。

不安、落ち込みなどの「情緒的混乱型」

情緒混乱型の特徴は、身体の不調を訴え登校できない、あるいは漠然とした不安を訴えて登校を拒否するなどが挙げられます。情緒混乱型の不安の種類は4つのタイプに分類することができます。

不安のタイプ 特徴
分離不安 母親から離れることに過度に不安を抱き、不登校になる。幼児期や小学校低学年に現れることが多い。
息切れ 家庭や学校からのプレッシャーで心身の疲労が現れる。漠然とした不安と身体の不調から不登校になる。
甘やかし 家庭で甘やかされて育ったために、集団行動が苦手になり、学校に行くことができなくなる。
家族間の不和 家庭の生活環境が変わった、家庭環境が良くないなどの理由から不安を感じて学校に行くことができなくなる。

 

不安分離型の解決策は、母子登校です。母親と一緒に登校できる子供は、学校側も母子登校を認め、積極的に登校の機会を増やしましょう。最初は保護者と協力し合い、徐々に子供が自立できるよう、母親から少しずつ話していくことがポイントです。母親から離すタイミングも重要。学校と保護者、クラスメイトなど、周りの協力が必要になります。
息切れにより不安は子供の本来の姿を取り戻すことが不登校解決に繋がります。解決策としては子供が意思決定できる機会を増やすことです。これまで我慢することの多かった息切れタイプの子供は、気持ちの安定を図る必要がるのです。
甘やかされにより、学校での生活に不安を抱く方は保護者の方が子供に対しての接し方を振り返ることが、解決への一歩です。また、子供に最後まで自分一人でやり遂げる経験をさせることも効果的です。自分を律する機会を増やしてあげることが何よりも大切なのです。
家族間の不和は、子供の話を聞き不安を和らげる、そして保護者の話を聞き家庭環境について考えてもらうことが解決への糸口です。家庭環境を改善していく必要があるため、保護者の方との連携は欠かすことができません。

人間関係や学業不振「複合型」

人間関係や学業不振など様々な原因が関係している「複合型」は現在不登校の原因の中でも増加してきています。この場合、原因が一つではないため、これといった解決策を定義することは難しいです。原因を決めつけず、子供の行動に合わせ柔軟に対応していくことが大切です。柔軟に対応していくうちに、パターンが見えてくる、あるいは子供の心情が変化することもあります。粘り強く対応していくことが大切です。

中学生に多い「あそび・非行型」

「あそぶために、非行グループに入り登校しないこと」と定義されています。このタイプは中学生に多く見られます。家庭がしっかりしていない、担任がしっかりしていないなど、安易に原因を決めつけず、まずは家庭を学校側が支援するとともに、子供に対して励ましや、時には叱責も必要になります。子供と家庭を、学校あるいは関係機関がサポートしていくことがポイントになります。

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