近年増加している不登校。人によってその理由は様々です。「原因を突き詰めて解決したい」と願う親御さんも多いはず。しかし、不登校の原因を素直に話すお子様は少ないです。今回は不登校の原因とその対策方法についてご紹介します。
目次
<不登校の原因>
不登校の原因は主に以下の2つに分類できます。
学校での問題
教師が原因
教師の言動が原因で不登校になる子供も少なくありません。近年、教師の言動が原因で不登校、ひどい場合は自殺にまで追い込まれるニュースを目にします。子供は周囲と自分との差を比べがち。大人にとっては何気ない一言でも、子供にとっては深い傷を負わせてしまうこともあるのです。
友人関係が原因
学校にはクラスや部活といったコミュニティがあります。このコミュニティ内に自分の居場所がないと感じると、学校に対して恐怖心や不安を抱きます。人間関係の悩みは大人にも付き物ですが、子供の場合、より陰湿で残酷なケースが多いです。学校に話し相手がいない、または居場所を見い出せなくなると、子供はその環境を避けようと不登校になります。
家庭での問題
家庭環境の変化
家庭環境が子供の不登校に大きく影響していることをご存知でしょうか?家庭環境が大きく変化すると子供の精神状況は不安定になります。例えば、ご両親の離婚やリストラなどが挙げられます。これまでと全く異なる環境にどう対応していいか、誰に相談すればいいかが分からず、自分の殻に閉じこもってしまうのです。そのようなときはご両親も精神的に辛い状況にあると思いますが、お子様を今まで以上に気に掛けるようにしてください。環境は異なってもご両親からの対応が変わらなければ精神状況はそこまで不安定にならずに済むはずです。
家族の仲が悪い
ご両親が喧嘩ばかりしている場合、家庭の中に居場所を見いだせず、ひどい場合は将来への希望も見失う原因に繋がります。そのため、友人と遊ぶ意欲、勉強する意欲がなくなり不登校に繋がります。
親子の関係性
親御さんからプレッシャーを感じている、あるいは愛を感じられないことが原因で不登校に陥る子供もいます。例えば、以下のケースに当てはまる場合は要注意です。
- 子供の話を聞かず、意見ばかり押し付ける
- プレッシャーを押し付ける
- 仕事ばかりで子供に関心がない
上記の場合、子供は自分の存在意義を見失う、あるいは構ってもらえない分反抗するなどの悪影響を及ぼします。子供は親の影響を大きく受けるため、これまでのお子様の接し方を見直すことをおすすめします。
<不登校の性格タイプ>
不登校の子供は6つのタイプに分けることができます。お子様がどのタイプに当てはまるか確認してみましょう。
母子分離不安型
小学校低学年に多く、母親から離れることに極度の不安を感じるタイプです。
- 放課後など友達と遊ばない
- 親と一緒でないと登校できない
- これまで出来ていたことができなくなる
- 「友達がいない」「先生が怖い」といった不安を訴える
情緒混乱型
頭痛や腹痛といった身体的な症状が現れることに加えて、気分の落ち込みや混乱と言った精神的な症状も現れるタイプです。
- 投稿直前に、身体的な症状が現れる
- 帰宅する頃には元気になっている
- 学校へ行く責任感は強い
- 親御さんに対して、甘える面と反抗的な面を兼ね備えている
混合型
自分の好きなことに対しては積極的に行うが、やりたくないことに対しては逃避したり落ち込んだりするタイプです。
- 決まった曜日に学校を休むこともある
- 朝になると学校へ行く気が失せる
- 登校時間を過ぎると元気になる
- 登校を促すと行こうとするが長続きしない
- 休日は友人と遊ぶ
無気力型
学校に行く意味を見いだせず、何事にも無気力なタイプです。
- 「めんどくさい」「だるい」が口癖
- 学校へ行きたくない原因が漠然としている
- テレビを見る、ゲームをするなど、好きなことだけして過ごす
- 友人が誘えば登校する
- 教師の家庭訪問も受け入れる
- 家では穏やかに過ごす
人間関係型
人間関係のトラブルで不登校に陥るタイプです。
- 身体的不調を訴え、早退や欠席を繰り返すようになる
- 表情が暗くなり、元気がなくなる
- 成績が落ちる
- 自分から学校のことを話そうとしない
ストレスによる神経症を伴う型
ストレスにより神経症を発症している、または精神疾患の初期症が表れているタイプです。
- 頭痛、腹痛、吐き気、発熱などの身体症状を訴え、遅刻、早退が目立つ
- 人に会うのを怖がる
- 鏡を何回も見る
- 拒食、あるいは過食の症状で、体調を崩す
- 気持ちの浮き沈みが激しい
- 普段と様子が異なる(突発的な行動、不自然な動き、脈絡のない会話など)
<不登校の対策方法>
学校が原因による不登校
不登校の原因を聞き出す
お子様にとって一番近い存在は親御さんです。お子様は口には出さなくても自分の話を聞いてほしいと思っています。最初は不登校の原因がいじめだという事実を話さないかもしれません。そういう場合、決して無理に聞き出そうとはしないでください。最初は他愛のない話から始めるのもいいでしょう。お子様は自分の口で話すことに安心感を抱きます。そうすると自然と不登校の原因も話してくれるかもしれません。
不登校の対策を自分で考える
親御さんがお子様の話を親身に聞き続けると、自分で不登校の対策も考える場合があります。対策は親御さんが無理に押し付けてはいけません。あくまでお子様が自分で考えることに意味があります。自分が納得して決めたことに責任を持ち、学校へ行くきっかけづくりにもなります。
学校との連携がとれる
お子様が学校に通うようになれば学校との連携も取れるようになります。お子様が悩まず学校に行くために家庭と学校の連携は欠かすことができません。学校での様子、家庭での様子の情報交換を行うことで不登校が再発するのを防ぐことができます。
家庭環境が原因による不登校
お子様への接し方を見直す
お子様への接し方が原因で不登校に陥るお子様も少なくありません。お子様のストレスになる接し方は2つあります。
- 支配型…お子様の全ての行動を抑圧・支配する
- 放任型…優柔不断、お子様の言いなりになる
「支配型」には完ぺき主義の親御さんが多いです。お子様をご自身の理想の姿に重ね、少しでもその理想と異なる方向へ進もうとすると威圧的な態度でお子様を押し付けます。その反動でお子様は学校に行かなくなり、結果として不登校に繋がるのです。「放任型」はお子様を叱ることができずに、全ての選択を子供にゆだねてしまう親御さんです。少しでも「学校に行きたくない」とお子様が思ったら休ませてしまい、そのまま不登校になるパターンが多いです。いずれにしても不登校という形で親御さんに反抗しているのです。
お子様への接し方を考える
まず、親御さんご自身がどのタイプでお子様に接しているかを把握した上で、今後の接し方を考えることが第一ステップです。
接し方の改善ポイントは、「支配型」と「放任型」を中和させることです。支配型は放任型を意識し、お子様を自分の理想へコントロールしようとするのをやめましょう。放任型は支配型を意識し、お子様をいい方向へ導こうと努力してください。
親御さんの役割は、お子様を自立に導くこと。お子様との信頼関係を築こうとすれば、不登校の原因も解決するはずです。