甘え・依存型不登校の特徴と対策をご紹介


甘え、依存

不登校児童数は少子高齢社会の影響もあり、増加してはいませんが一向に減る気配を見せません。全てのお子様が学校に行きたくない原因を話してくれるわけでもなく、意思疎通がとりにくいことも。そんなときはお子様の行動パターンや特徴から原因を探していきましょう。今回は、「甘え」「依存」の観点から不登校の対策をご紹介します。(不登校の原因は大きく分けて、学校と家庭の2つに分類されます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。⇒不登校の原因と対策


親への甘え・依存が原因で不登校になる子供たち

あなたのお子様は、どのようなことに抵抗や嫌気を見せますか?集団行動が苦手だったり、友達と些細なことで喧嘩したり、我慢することが苦手だったりしないでしょうか?そのようなお子様は「甘え」「依存」型の不登校タイプに当てはまります。

重度の甘え・依存が及ぼす影響

あなたはお子様の甘えを多めに見てはいませんか?重度の甘えが不登校の原因を引き起こしていることもあるのです。それが甘え・依存型の不登校です。
お子様のことを一番に考えることは親だったら自然なことです。しかし、それは甘やかすこととは大きく異なります。
甘やかしが続くと最悪の場合、自立が遅れる学校での集団行動ができなくなるなどの問題が生じ、社会性に欠けたまま大人になってしまうことも。
そのためには今のうちに対策を考えて、解決しなければなりません。次章では、甘え・依存型不登校の5つの特徴をご紹介します。


甘え・依存型不登校の5つの特徴

甘え・依存型不登校の5つの特徴をご紹介します。以下の特徴に当てはまっている場合、甘え・依存型不登校として解決策を考える必要があります。

友人関係等の些細なトラブルを起こすことが多い

自分の思い通りにいかないと感情的になることが多く、友人との間でも喧嘩が多発するクラスで問題を起こすなど、頻繁にトラブルを起こすことが多いです。
トラブルについてはお子様が深く悩むことはなく、教師から相談されたり、ママ友から聞いたりと、第3者伝手に知ることが多いです。

我慢や自立意識が育っていない

上手くいかないことや苦手なことがあると学校を休む保健室に行くなど逃避の癖がつきます。我慢をする習慣がついていないと、物事を最後までやり遂げずに諦めてしまうことが多いことが特徴です。

身体的な不調を訴えるようになる

平日朝、登校時間になると身体的不調を訴えるようになります。しかし、学校を休ませると、お昼過ぎにはコロッとすることも。登校を促すと一時的に学校へ行くようにはなりますが、早退する、保健室に行くなどして長続きはしません。しかし、休日になると気心知れた友人と元気よく遊ぶ姿が見受けられることもあります。

学校の規則を守ることや集団生活が苦手

クラスや班でまとまって行うことに対して、集団行動を乱す様な態度をとることがあります。遠足や社会科見学も面倒くさがる、合唱祭や運動会の練習に参加しないなど、無気力に近い状態に陥ることもあるでしょう。

生活習慣が身に付いてないため生活リズムが乱れがち

自分で身の回りの生活を正そうとする生活習慣が身についていないため、親御さんに指示されないと行動することができません。そのため甘やかして接していると、夜遅くまでテレビやゲームをするようになります。夜遅くまで起きていると翌日登校時間に起床することができず、身体的不調を訴え学校を欠席するようになるのです。


不登校初期から回復までの段階ごとの対策

甘え・依存型は不登校になりたてから回復に至るまでには4段階あると言われています。以下では段階ごとの対策をご紹介します。

学校を休みがちになる初期段階

学校を欠席しがちな初期段階では、無理に登校を促すよりはお子様の話をしっかり聞くことから始めましょう。その話を受け止めて、お子様を励ますことが大切です。
話の内容から、友人関係のトラブルなのか、学校以外の習い事などが原因か、身体的不調が原因かを把握して、早期に心のわだかまりを解消するように調整を行いましょう。お子様にとって『つらいことがあっても向き合う』ということを伝えることができれば成長の機会になるはずです。

生活リズムが乱れる進行段階

生活リズムが乱れる進行段階では、無理に朝起こす、あるいは登校を促すことは控えましょう。身体的不調が原因である場合は、学校のことは考えさせないように、ゆっくり休んでいいことを伝えてください。不登校で学校を欠席している状態でも、お子様には「学校を休んでいる」という大きなストレスがかかっています。
家でゆっくり休ませることに加えて、ご両親で協力してアウトドアやショッピング等、お子様の気が晴れるようなことを考えてみましょう。

規則正しい生活リズムを取り戻す混乱段階

規則正しい生活を取り戻す混乱段階では、正しい生活習慣を身に着ける取り組みを家族で行いましょう。お子様一人に取り組ませるよりも、一緒に取り組む人がいた方がお子様のやる気にも繋がります。
自発的に何かを行うようになるのもこの段階なので、お子様の興味のありそうな提案をどんどんしてみましょう。
学校の教師が家庭訪問を行う際は、家族以外の目線でお子様の良い点を伝えたり、励ましの言葉をかけると効果的です。

徐々に登校するようになる回復段階

お子様と、どのように学校に慣れていくかの登校計画を立てましょう。いきなり他の生徒と同様の学校生活を送るというのはハードルが高いため、保健室登校やカウンセラーに相談しながらでもいいですし、フリースクールに通いながら集団生活に慣れさせるのも一つの手です。
大切なのは、胸を張って登校してもらうことです。そのためには、お子様の得意なことを伸ばす様な習い事を始める、勉強に自信を持ってもらうために学習塾に通うなど、学校内外で活躍できる場面を作ってあげることが大切です。

不登校は家庭と学校が連携して解決していくものです。相互に相談、助言し合って、お子様の成長を励ましましょう。不登校という時期を乗り越えたお子様は、強く優しい心を持って成長してくれるはずです。