あなたは今、お子様の不登校が長引いていることに頭を悩ませていませんか?しかし、一人で悩んだり、ご自身を責めるのはよくありません。不登校で悩む中学生は全国に9万5000人いると言われています。つまり、不登校は決して珍しいことではないのです。
しかし、昔の元気なお子様の姿をもう一度見たいという気持ちに変わりはありませんよね。不登校は長引いた分だけ、抜け出すのは難しくなります。長期化した不登校を解決するためには、心のケアだけでなく今の環境から変えなければならないことも。その選択肢の一つが転校です。
今回は不登校の中学生にとって、転校がどのような影響を与えるのかをご紹介します。
目次
不登校の中学生が転校するメリット
まずは、不登校の中学生が転校するメリットをご紹介します。環境を変えると不登校のお子様にどのような影響を及ぼすのか要チェックです。
① 新しい環境で学校生活を再スタートできる
転校の最大のメリットは、新しい環境に飛び込めることです。新しい環境に飛び込むことで「新しい友人ができる」「新しい先生と出会うことができる」「勉強の楽しさを見つけることができる」などのお子様にプラスの変化をもたらす可能性があります。新たな出会い、思考の変化を感じることで、学校に対する恐怖心が緩和される効果もあります。
② 新たな地域や文化に触れ刺激を受けることができる
転校すると、これまでとは全く異なる世界が広がります。それは学校生活だけでなく、日常生活においても言えることです。例えば、「新しい通学路に綺麗な銀杏並木がある」、「近所の駄菓子屋さんのおばちゃんが気さく」、「地域ならではの特産物や料理を堪能できる」、「伝統を身近に感じることができる」などなど。遠い地域であればあるほど、お子様は刺激を受けるでしょう。
刺激を受けることで無気力な気分から抜け出すことができる、勉強へのモチベーションが上がるなどの効果を感じることができます。
不登校の中学生が転校するデメリット
続いては、不登校の中学生が転校するデメリットをご紹介します。しかし、ここでご紹介したことが必ずしも起きるわけではありません。個人差もあるため、デメリットというよりは「リスク」と捉えることをおすすめします。
① 転校することで不登校への逃げ癖がついてしまう
不登校になる前のお子様は、「嫌だから逃げたい」「嫌だから休みたい」気持ちが大きいです。しかし、どのお子様も最初は「今日何となく学校行きたくない」気持ちから始まります。
その状態が長期化することで不登校に繋がりますが、転校することでさらに「不登校になったら転校すればいいんだ」という逃げ癖がついてしまいかねません。そのような甘えから、自分で不登校を解決しようという気持ちがなくなってしまいます。
② 転校後、馴染むのにストレスがかかる
新しい環境に飛び込むことは、緊張感や不安からストレスがかかります。転校ももちろんそうです。「友達ができるか不安」「みんな意地悪だったらどうしよう」「勉強についていけるか不安」などなど。転校はただでさえストレスなのに、これまで不登校だったお子様が・・・と考えると親御さんまで不安になってきますよね。
転校後、慣れるまで1か月間はストレスがかかり続けると考えておきましょう。
③ 転校で不登校が改善されるとは限らない
転校の最大のリスクは、不登校が改善されるとは限らないことです。転校するとお子様にストレスも伴うことからリスクの高い決断と言えます。お子様の心のケアをしつくして、他に打つ手がなくなったときの最終手段として一か八かで決断することをおすすめします。
「そんな無責任なこと言って・・・!」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、こればかりはお子様ご本人でさえ分からないことです。
転校を悩んでいる方は次章で転校以外の解決策をご紹介します。
転校以外の選択肢を考える
不登校の最終ゴールは学校に行くことでもなければ、進学することでもありません。最終的に「お子様の元気な姿を取り戻す」ことがゴールです。学校に登校させることに固執しすぎるとお子様の意見を聞かず転校を選ぶと思いますが、それでは意味がありません。
転校しなくとも、通信制高校への入学を検討する、フリースクールに通う、自治体の教育支援センターを利用するなど様々な選択肢が用意されています。不登校の相談先については
こちらの記事で詳しくご紹介しています。⇒『不登校に悩んだときの相談先』
まとめ
不登校の解決策の一つに転校があります。しかし、不登校から転校するにはリスクが付き物。これまで学校に通うことができなかったからこそ、集団に馴染むことに苦手意識を抱いている方が多いのです。
親御さんは、「不登校を抜け出すこと=学校に登校すること」と捉えてはいけません。不登校を抜け出す状態とは、お子様本来の元気な姿を取り戻すこと。そのためには、転校以外にも選択肢を作り、お子様と共に歩みを進めることをおすすめします。