小学生のお子様をお持ちの方で不登校に悩まれている親御さんは日本に多くいます。「小学生のうちから不登校になってしまい、将来が不安…」そのように思う方も多いのではないでしょうか。しかし小学生の不登校は解決しやすい問題でもあるのです。今回は小学生の不登校の現状、原因、対策方法についてご紹介します。
目次
<小学生は学年が上がるほど不登校になりやすい>
不登校というと中学生・高校生に多いイメージですが、小学生の不登校者数も決して無視することはできません。不登校で悩む小学生は全国で22.622名いるというデータが文部科学省より発表されています。中学生の不登校者数94.836名と比較するとその数3分の1ですが、義務教育の初期段階である小学生で不登校ということ自体が深刻な問題であると言えます。
年齢別に見た小学生の不登校児の数
年齢別にみると学年が上がれば上がるほど不登校者数が増えています。小学1年生は約1000人、小学3年生約2.500人、小学6年生では約8.000人と、高学年が3分の1以上を占めていることが分かります。このデータからわかることは思春期に近づくにつれて、思い悩む小学生が増えるということです。
学年 | 不登校児の人数 |
小学校1年生 | 1.000人 |
小学校3年生 | 2.500人 |
小学校6年生 | 8.000人 |
中学生 | 94.836人 |
高校生 | 56.292人 |
<小学生が不登校になる原因とは?>
厚生労働省のデータによると、小学生が不登校になる原因は大きく分けて4つに分けられます。最も多い原因は「不安などの情緒的混乱」。その後に「無気力」「親子関係」「友人関係」が続きます。しかし、小学生の中でも学年によって原因が異なります。以下に年齢別に見た不登校の原因をご紹介します。
低学年の不登校の原因
小学校1~2年生の低学年であれば、まずは環境の変化による不安などの情緒的混乱が主な原因です。幼稚園や保育園に比べて、「集団行動」を強く意識しなければなりません。また、親と長時間離れて過ごす環境にもなかなか慣れず混乱を起こす小学生も多いです。
中学年の不登校の原因
小学校3~4年生になると少しずつ勉強の内容も複雑になります。授業についていけない、またはテストの点数を意識するなど、対人関係の中で劣等感を感じるようになり、それが恥ずかしさ、無気力を引き起こす原因になります。小学校3年生のタイミングで初めてクラス替えを経験し、周囲に馴染めず不登校になる小学生も多いです。
高学年の不登校の原因
心身ともに成長するととともに人間関係、勉強内容共に複雑になります。男女の関係を意識し始める、周囲の目を過剰に意識するなど、今まで以上に繊細な時期です。また勉強の評価もこれまで以上に気にしはじめ、親や周囲からの期待をプレッシャーと感じてしまいがちです。
<不登校は卒業までに解決しましょう!>
小学生の不登校は中学生・高校生に比べたら解決スピードが早いことが特徴です。
小学生は呑み込みが早い
その理由は、若ければ若いほど吸収力が高いためです。信頼している親や教師、友人からの提案を素直に受け取ることができるのが小学生の大きな特徴です。物事を歪んで捉えないので、周囲が前向きであれば本人も前向きに登校を考えることができます。また、学年が低いほど勉強内容も挽回できますし友達付き合いも上手くいくため、小学校卒業前に不登校を解決することが大切です。
不登校は中学生でも引きずる
不登校のまま小学校を卒業した子供は、中学に進学しても9割近くが不登校を引きずってしまいます。環境が変わっても、学校に通うという状況に慣れていなければ最初の一歩はなかなか踏み出せないということです。吸収力も早く、環境が大きく変化しない小学生のうちに不登校を解決することには大きな意味があります。
<不登校の解決策>
第3者に協力してもらう
不登校は親と子供の問題と捉え親子だけで解決しようと試みることが多いと思います。しかし、実際は第3者の協力を必要とすることが多いのです。教師や友人、兄弟姉妹を入れて話し合いの場を設けてみると、様々な意見を聞くことができてその分解決策も増えます。この際一方的に子供に解決策を押し付けるのではなく、子供が自分で解決策を考えられるような状況を作ることが重要です。また、複数人数で話すのが苦手なお子様であれば、親子で頻繁に話し合いの場を設けるのが良いです。しかし、親御さんは学校との連携を行って情報交換を続けていきましょう。
不登校とは親子だけの問題ではないので、学校と家族との双方で解決していくことが何よりも大切なのです。