「学校に行きたくない」そう思っている子供にとって、9月1日がどれだけ恐ろしい日かご存知でしょうか?
およそ1か月半の長い夏季休暇を経て始まる毎日の学校に、たくさんの子供たちが怯えています。
今回は、大人こそ不登校をもっと柔軟に考えてもらうために、私が皆さんに伝えたいことをつづります。
目次
18歳以下の自殺者が最も多い日「9月1日」
以前、内閣府から9月1日は18歳未満の子供の自殺が多発するとの報告を覚えているでしょうか?
夏休みが明け、新学期が始まるこの日、「学校に行きたくないけど行かないといけない」と葛藤する子供がたくさんいるのです。
極端ではありますが、子供たちは「学校に行くか死ぬか」の二者択一を迫られているのです。
「学校に行かなくていいこと」を周りが理解する
以前、このような記事を見かけました。
例え遠くにいる大人が「逃げていい」とメッセージを送っても、子供が気に掛けるのは身近な大人、つまり親や学校の先生です。その身近な大人たちが「逃げてはだめ」「がんばろう」と伝えると、子供はもちろんどの言葉を飲み込みます。「学校に行きたくないけど頑張らないといけない」と子供を苦しませてしまいます。
不登校支援者はよく「嫌なら逃げていい」と伝えています。
しかし、不登校支援者とは言え見ず知らずの大人です。子供が一番頼りにしている大人はご両親や学校の先生なのです。
つまり、身近な大人が「逃げていい」と考えられるかどうかなのです。
「逃げていい」との助言は子供に対してではなく、むしろ大人に向けて発信していると言ってもいいでしょう。
学校は長期間休んだっていいところ
長期休暇が明け、久々に学校が始まる日の朝。
「急に体調が悪くなる」「部屋やトイレから出てこない」場合、赤信号です。
そのような状態が以前から続くようであれば、親御さんは思い切って長期間休ませましょう。
ある家庭ではいじめを受けていた子供が両親に「学校に行きたくない」と伝えたところ、母親は学校に「1か月休ませてください」と言ったそうです。
親御さんの立場からすると、長期間学校を休ませることは勇気が要ることだと思います。
しかし、これからの人生長い目で見た時に、今ここで1か月の休暇をとることと、何年間も自宅に引きこもること、どちらが避けたいですか?
1か月などの中長期間の休暇をとることは、結果的に親子共々日々のプレッシャーから解放されて気持ちが楽になることに繋がります。
「学校に行きたくない」と訴える子供を登校に促すのはリスクが大きいです。休暇をとって、自宅でできることは可能な限りサポートしてあげてください。
学校と自宅以外の居場所を見つけましょう
休暇をとったとしても、ただ自宅でゴロゴロしているようでは復学は難しいです。
更には、学校を休むことに良い印象を抱かないご両親もいらっしゃるかもしれませんよね。
そんなとき子供は、周囲の助けを得られず一人で苦しんでいます。
学校に居場所がないなら自宅が唯一安らげる場。
しかし、「ご両親が共働きで忙しい」「家にいても安心できない」そんな子供たちにも逃げていい場所を作らなければなりません。
学校と自宅以外の居場所は意外とたくさんあるのです。
図書館や児童館、公民館をイメージする方が多いと思いますが、フリースクールや地域の不登校支援機関もその代表的な例です。
大切なことは、いかに選択肢を多く持つか。情報量も多く何が正解か判別しにくい現代で、情報の取捨選択を行うことは今後にも活かせるはずです
不登校の情報リテラシーを高めましょう
学校に行かなくても人生が終わることはありません。
無理に学校に通うことで、「死にたい」と思う子供を増やすくらいなら思い切って休ませてください。
周りにいる大人たちも、これまで常に順風満帆な人生を送ってきたわけではなく、つらいこと、時に死にたいと思うこともあったでしょう。
人は不幸な時に成長する生き物です。幸せの中にどっぷり浸かっているだけでは何も成長は感じられません。
大切なことは、これ以上動けなくなったとしても戻れなくなったとしても、ぼんやりとでも新しい道を探し続けることです。
「新しい道」なので学校の子とは考えなくて大丈夫ですよ。
自分らしい道とは何か、今この瞬間があなたの人生の再出発地点です。
そして親御さんは自分を責めないでください。自分を責めるとお子様のことを認めにくくなり、学校に行かないことをマイナスに捉えてしまうことがあります。
「逃げること」も「向き合うこと」も一人では難しいからこそ、ご家族の力が必要であることを心に留めておいてください。