不登校児童が全国で増え続けています。
文部科学省のデータによると、小学校・中学校の生徒数約1012万人のうちおよそ12万人以上は不登校に悩んでいます。1日当たりおよそ180人の子どもたちが不登校になっているのです。
不登校は学年が上がるほど人数が多くなる傾向があり、小学生よりも中学生が急増しています。
原因は、学校での学習時間・部活動・塾の長時間化、ゲームやスマートフォンの依存など、社会の変化と共に子供たちを取り巻く環境が変わってきています。
環境の変化に伴い、睡眠時間の短時間化やストレス増大が原因で不登校が増えているのです。
更には体調の異変にまで及びます。失神や立ちくらみ、めまい、ふらつき、全身倦怠感、不眠症など・・・
これらは起立性調節障害という列記とした病気です。
起立性調節障害は生活リズムが崩れるため、遅刻・早退・欠席を繰り返し、不登校や長期欠席の原因になります。
今回は不登校の原因「起立性調節障害」の詳細と今後についてご紹介します。
目次
「起立性調節障害」は思春期特有の不登校を招く病
起立性調節障害は思春期の方に多い病気です。
失神や立ちくらみ、めまい、ふらつき、全身倦怠感、不眠症の他にも、
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そして、
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と言った精神状態が続き、放っておくと抑うつ状態に陥ります。
子どもたちは精神状態や体調不良などを自分から言うことはありません。そのため自分の殻に閉じこもり、精神的には不安定になり、親や教師にさえ不信感を抱くようになります。
親や家族に不信感を抱き自室に引きこもるようになってしまえば、不登校は更に長引いてしまいますよね。
不登校の4割は起立性調節障害が原因
あなたのお子様も「具合が悪くて朝起きれない・・・」なんてことになっていないでしょうか?
先ほど思春期の子供に多い病と言いましたが、急激な身体の変化・成長を感じるのが思春期です。
思春期は循環器系の自律神経が不安定になるので、起立性調節障害を招きやすいと言われています。
そして、不登校児童生徒の約4割、中学生全体の約1割が起立性調節障害を患っています。
決して他人事とは言えない起立性調節障害。症状が悪化すると寝たきりの状態になってしまうのです。
起立性調節障害は専門施設に行かなければならない
起立性調節障害は思春期の子供に限った話ではありません。
患者さんの約3割は成人後も症状が継続するとのデータも出ています。特異な症状はありませんが、確定的な診断をするのが難しいのが起立性調節障害です。
血圧や脈拍数、新起立試験などの検査を行いますが、これでは大まかな分類しかできず、詳細な病態を把握するためには特殊な検査機器の揃った専門施設に行く必要があります。
しかしその専門施設がまだまだ少ないのが実情です。
専門医が全国で診断が可能になる新指標を作成中
起立性調節障害を全国の医療機関で診療できるよう、点数化可能な問診票の作成に取り組んでいます。
医科大の教授や専門医がチームを組んで3年間で研究を進めています。
東京・大阪などで1000人の中学生を対象に立ちくらみなど循環器の症状、痛み、睡眠、疲労感などについてアンケートを実施しています。
来年度からは患者さんの臨床データを基に問診結果を点数化することを目指しています。
これまで起立性調節障害の病態は4種類でしたが、痛み、睡眠などの異なる視点も加えさらに細かくして重症度も判断することも可能になるとか。
まとめ
不登校の原因の4割を占める起立性調節障害。
病気そのものは1960年ごろに発覚したもので、認知度も低いため親御さんでも病気であると気が付かないことも多いでしょう。
ましてや病院で診察する方なんて何人いるでしょうか?
この記事を読んでいるお母さん、お父さんはお子様に次のチェックポイントが当てはまるか確認してみてください。
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上記の項目で3項目以上当てはまる方は一度小児科や専門医に診てもらいましょう。
診断されていないため誤解されている子供たちも多くいます。学校に行くと叱る前に、まずは病院で診断してもらう方がお互いのためになると思います。